鵞足炎とは
縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉はそれぞれ股関節付近からスタートし、膝関節の内側に集まり、付着します。この3つの筋肉が集まって付着している様子が鵞鳥(ガチョウ)の水かきに似ていることに由来します。
陸上競技、バスケットボール、サッカー、競泳(特に平泳ぎ)のスポーツ競技者に多くみられる、膝の内側に痛みが出るスポーツ障害です。
鵞足炎の原因
〇 アライメントによるもの
・X脚
・筋力低下、不足
・柔軟性低下、不足
・扁平足、外反足、下垂足
・足関節回内不安定性
・動的アライメント不良:knee-in & toe-out
〇 環境によるもの
・サーフェス(地面)の固さ:アスファルトやグラウンド
・シューズの状態:足に合っていないシューズ、摩耗しているシューズ
・過剰な練習量
特に重要となるのは動的アライメントの「knee-in & toe-out」です。「knee-in & toe-out」とは動作時(着地時)に膝が正中線よりも内側に、つま先が正中線よりも外側に向くことをいいます。通常、「knee-in & toe-out」一回の動作で、鵞足炎になることはありませんが、ランニングやジャンプを「knee-in & toe-out」のまま繰り返ししていることで鵞足炎につながります。
自分の動作が「knee-in & toe-out」になっていないかどうかをチェックしてもらうことやその場合の対処方法を知ることは怪我の予防にとっても非常に重要になります。
鵞足炎の治療
・RICE処置:急性期(痛みの強いとき)は安静や患部のアイシングを行います
・ストレッチング:内転筋群を中心に太ももの筋肉全体のストレッチング
・リハビリテーション:スポーツ動作の修正や正しい姿勢での筋力トレーニングを行い、knee-in & toe-outの回避
・テーピング:スポーツ時にknee-in & toe-outにならいないようにするためのテーピング
・インソール(テーピング):扁平足や外反足に対する対応
当院の治療
・動的アライメントのチェック:鵞足炎の原因となるknee-in & toe-outの不良アライメントがないか初診時にチェックします。
・手技療法:縫工筋、薄筋、半腱様筋を中心に大腿部の筋肉、下腿部の筋肉、股関節、膝関節、足関節へ施術を行います。
・物理療法:ハイボルテージを中心に、急性期や痛みの強いときにはコンビネーション治療を行います。
・テーピング:スポーツ時のテーピングを競技に応じて行います。初診時には巻き方の説明と練習も行います。
・リハビリ:アスレティックリハビリテーションを行います。整骨院でのリハビリに加え、自宅でのトレーニングやケアの方法も説明します。
