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足首の捻挫

スポーツ外傷障害の解説ブログ、「第2回 足首の捻挫(足関節捻挫)」です

 

足首の捻挫はスポーツで起こる最も多いケガのひとつです。

バスケットボールやバレーボールで、ジャンプの着地の際に誤って他の選手の足の上にのってしまったり、サッカーやラグビーなどで、ステップやターンの際に足を取られてしまったりといった場面で捻ってしまうことがあります。

また、足首の捻挫をしたことがある人がちゃんと治療をしないともっと軽い負荷でも捻ってしまうことがあります。

 

足首の捻挫(足関節捻挫)とは

足首の捻挫(足関節捻挫)では靭帯に注目します。靭帯とは骨と骨とをつなぎ、関節を支えているものです。しかし、強い力が加われば、傷ついたり断裂したりしてしまいます。足関節捻挫では靭帯の損傷の程度によって3つに分類されます。

1度:前距腓靭帯の部分断裂

2度:前距腓靭帯の完全断裂

3度:前距腓靭帯と踵腓靭帯の完全断裂

前距腓靭帯は外くるぶしの前、踵腓靭帯は外くるぶしの下あたりにあります。

 

足関節捻挫の症状

足関節捻挫の多くは足首を内側に捻って起こります(内反捻挫)。内側に捻ることで外側にある靭帯が強く引き伸ばされて損傷することになります。その靭帯が多くの場合、前距腓靭帯と踵腓靭帯です。靭帯が損傷を受けたことにより、その部分(外くるぶしの前や下)を押すと痛みがあり、腫れが出てきます。また数時間から数日経つと皮膚の色が紫色になる(皮下出血斑)ことがあります。この腫れや皮下出血斑は程度によっては足の甲や指のあたりまで広がることがあります。

また、こどもやお年寄りの場合には、靭帯よりも骨の方が強度が低いこともあり、同じように捻った場合でも骨折となることがあります。

 

足関節捻挫の治療

足首を捻った直後はまずRICE処置をする必要があります。RICEのRとはRest安静、IはIcingアイシング、CはCompression圧迫、EはElevation挙上です。つまり、氷などを足首に当て(Icing)、バンテージなどを巻いて圧迫し(Compression)、横になって足の位置を高くし(Elevation)、安静(Rest)にします。

切れた靭帯の治療には固定が有効です。適正に固定をすれば、たとえ完全断裂していてもまた付着する可能性があるからです。固定の方法にはバンテージやサポーター、ギプスなどが用いられますが、病院や整骨院によって方法は異なります。私のおすすめの方法はテーピングです。ギプスよりも薄く動きやすく、バンテージやサポーターよりも固定力があるからです。また、スポーツへ復帰する際もまずはテーピングを巻いた状態から復帰することができます。デメリットとしてはテーピングの巻き方を覚える必要があります。固定期間は、損傷程度によって変わってきますがおおむね1週間から6週間程度になります。

しっかりとした固定をしないままでいても痛みはひく場合があります。しかし、靭帯はつながっていないままになるので、ちょっとしたことでも捻ってしまいやすくなります。スポーツであればなおさらです。なのでしっかりとした固定による治療が必要です。

 

当院の治療

1.テーピング固定:損傷の程度によってテープの巻き方を変えて行います

2.テーピング巻き方指導:自宅やスポーツ時などにも巻けるように巻き方の説明と練習ができます。

3.RICE処置と物理療法:受傷から間もない場合は痛みが強く出る場合があります。痛みの軽減を極力行います。

4.コンビネーション治療:特に痛みが強い場合は超音波とハイボルテージを同時に患部に流すコンビネーション治療が効果的です。